年度途中に公務員を辞めたい方へ〜私の県庁退職体験記〜

あき

こんにちは、あき(@aki_1112_k)です。プログラミング完全未経験の公務員から、4ヶ月の独学で地方のWeb系ITベンチャー企業に転職し、現在はエンジニアとして働いています。

今回の記事では、もう公務員を辞めるぞ!と決めた方向けに、僕が実際に県庁を退職を申し出た時の具体的な流れを書いていきます。

例えば、いつ頃申し出て、その後どういう引き止めがあって、退職届や退職金などの手続きはどんな風に進めて・・・といったこととなります。

公務員を退職という経験をされる方はあまりいないでしょうから、是非参考になればと思います。

目次

年度途中に公務員を辞めたい方へ〜私の県庁退職体験記〜

退職時期について

退職希望日の2ヶ月前に自分の直属の上司に申し出た

民法上、期間の定めのない労働者は、退職の意思表示をしてから2週間が経過すれば退職できることになっています(民法627条1項)。

しかし、公務員の場合、「辞職の実現には任命権者の行政行為に待たなければならない。」とされています(森園幸男ほか編「逐条国家公務員法」〔学陽書房,全訂版,平27〕647頁参照)。

この行政行為は、講学上、辞職発令、退職発令、辞職承認などと言われることがありますが

要するに行政が承諾しない限り辞められないという決まりになっています

しかし、安心してください。

行政が職員を無理に在任させることはできません。

人事院規則上、「任命権者は、職員から書面をもって辞職の申出があったときは、特に支障のない限り、これを承認するものとする。」とされています(人事院規則8-12 第52条参照)。

このように公務員と言えど一労働者であるため、2週間(14日前)に申し出ればいいことになっていると言えます。

ただ、色々と手続きが発生するため、遅くても1ヶ月前には申し出をすることでより円滑に退職ができるでしょう。

私の場合、具体的には、年度途中(8月末いっぱい)で退職する予定ですので、7月の第1週に直属の上司に申し出をしました。

伝え方としては、時間外に緊急連絡用の携帯電話へ電話し、口頭で伝えました。

課室には常に人が密集しており、とても個別に伝えられる状況ではなかったため、苦肉の策としてこのような方法を取りましたが、特にお咎めもなく、最初の伝え方としては結果的に良い手段であったのかなと思います。

申し出の際、退職願を用意した

これは、形式的なものであり、本来用意しなくても問題ありません。

ただ、電話をかけ詳細を伝えていない段階で

「今辞められると困る」「嘘だろ」「何と言おうと辞める事を認めない」

と、簡単に辞めさせてくれそうにはなかったため、面談に向け理由を紙に書き出しておきました。

さらに、退職願を用意し、目に見える形で退職の強い意思を示そうと考えました。

実際に退職願を見せた後は辞めることに関しては、強く否定されなくなったため用意することをオススメします。

(その後も、退職時期の引き延ばしについては執拗に迫られましたが…)

ちなみに、退職願とは別に退職届の正式な様式が各自治体でありますが、これを書くのはずっと後のことになります。

注意点としては、これを書いていきなり突きつけるのは少し失礼だと思いますので、最初は口頭で退職理由の概要については相手に話しておき、ある程度こちらの思いが伝わったと感じたタイミングで渡すのが良いと思います。

よくある退職パターンは?

私のように年度途中で辞める方はかなり少数派です。

どれくらい少数派かというと、私の在籍している県庁は約4000人の職員がいますが、その中で年に一人いるかいないかです。

率にして約0.025%!

そりゃ上長も驚いて年度末まで引き延ばせないか必死で交渉しますよね。

年度途中で退職した場合の残された業務の対処や発生する手続きに前例がないため、仕事が余計に増える訳です。

ここは民間と違って公務員が年度途中に辞めにくい大きな理由の一つであると思います。

なので、多くの人はキリが良い年度末の3月末で辞めます。

その場合、基本的に12月〜1月に実施される面談(来年度の異動希望などを聞かれる)時に申し出ればOKとのことです。

人事異動の当てはめが始まるのが面談以降のタイミングからなので、逆にそれより早く言われたところでどうにもならないとのこと。

引き止めについて

課内で3度、総務課長に1度引き止めを受けた

直属の上司に申し出をした翌日、すぐに課長と直属の上司と私の3人で面談の機会が設けられ、ヒアリングを受けました。

そして、今は色々と重なっているだけのように思うから、再考をしてはどうかということを促されましたが、決意は固いと申し上げました。

にも関わらず、

「もう一度よく考え、内定先の企業にも勤務開始日を引き延ばせないか相談すること」

と一方的な指示を与えられ、後日もう一度面談することとなりました。

数日後、今度は課長、副課長、上司と再面談。

この面談では3対1の構図。

今回も前回と変わらず”決意は固い”と申し上げているにも関わらず

  • 年度途中に辞めるのは無責任
  • そもそもなぜ県庁に入ったのか
  • こんな辞め方をすると悪い噂が立ち今後の仕事も上手く行かない

など半ば脅しのような引き留めを受けました。苦笑

ですので、私も”誰にどう思われようと、悪く言われようと絶対に8/31で辞めます!”と宣言し頑なに応戦

最終的には本人が決めたのだから仕方無いという方向で折れてくれました。

これで自分の役目は果たした。取り敢えず交渉からは解放される。。

と思った矢先、その週を跨いだ月曜日に納得のできない副課長から呼び出し。

「退職時期に関しては了承するが、退職時期に関しては認めない。どうしても年度末まで引き延ばせないのか」

と個別交渉を受けました。

この面談では印象に残るやり取りがありました。

こちらです。

私「世の移り変わりについてくため1秒も無駄にしたくない」

副課長(公務員歴33年)「そんなに焦る必要ある?そもそも日本って別に遅れてないでしょ」

ここでも、意地で自分の意思を貫き、何とか了承してもらえました。

(この一件で世代間の争いがなくならない理由を強く実感しました。苦笑)

そして、その後数日経ってから、主管課の総務課長からもお話しがあったが、この面談では最終的な意思確認のみであり、あっさり退職について承認してもらえました。

この時点で実質的に退職することが確定したということになります。

私がいる県庁では、自分の所属する課の課長を通った時点で、あとは手続き論だけの話であり、総務課として改めて何か引き止めをするということは無い(立場的にしない)ようなのですが、この一件を今後に活かすべく、県庁の悪い点や改善点のヒアリングがありました。

一県民として、県庁が庁内でこういった取り組みをすることは非常に素晴らしいと思うし、退職者のみでなくもっと積極的にヒアリングを実施して欲しいと思いました。

これで一連の引き止めについてはここで完全に終了しました。

なお、前述しましたが、法律に基づき基本的には、組織として辞めることを無理矢理引き止める権限はありません。

よって、どんな引き止めを受けようが、強固に意思を押し通せば絶対に辞めることが出来ます。

ただ、自分の信念を持って丁寧・誠実にきっちり説明してご納得をいただくことが、その後の自分の人生にも活きてくると思います。

また、納得してもらえない程度の覚悟しか示せないのは少し問題ではないかとと思います。

退職理由の説明はかなり心身への負担となりますが、一つ人生の大きな経験を積むチャンスだと思い全力で取り組んでみることをオススメします!

課内への報告について

課長から了承をいただいた後、一旦課内の同僚には内密にするようにと伝えられました。

ただ、その後も何度か課長から直接呼ばれていたので、同僚からは何かあるのかなとは思われていたようには思います。

そして、総務課との面談から数日後

課内で退職を発表してほしい旨が補佐から伝えられ、課長の仕切りの元、発表をして、周知の事実となりました。

発表内容は下記です。


お時間いただきありがとうございます。

この度、8月31日をもって一身上の都合で退職をすることになりました。

自分と真剣に向き合い、今後自分の人生をどのようにしたいのか考えた結果、新たなことに挑戦することを決断しました。

自分本位な決断により、ご迷惑をおかけすることとなり大変申し訳ございません。

○年の○月に入庁し、約○年、右も左もわからなかった私を、ここまでご指導いただいたことは感謝してもしきれません。

特に○班の皆様には、自分の力不足でたくさんご迷惑をおかけすることもありました。

そんな中でも一緒に真摯に課題と向き合っていただき、行政職員として大事なこと、また、私生活についても人生の先輩としてたくさんのことを教えていただきました。

〇〇課で学んだことは、私の人生において大切な財産です。皆様とは違う道を歩むことになりますが、〇〇県を良くしたい、人々の生活をより豊かにしたいという思いは同じです。

ここでの経験を活かし、今後も頑張っていきたいと思います。また、退職まで少し時間が残されておりますので、残りの時間自分のやるべきことを全うします。

最後にはなりますが、皆さまの今後の益々のご活躍をお祈りしています。

貴重なお時間ありがとうございました。


是非参考になれば嬉しいです。

課内の反応

余談ですが、退職報告を行った後の課内の反応は以下のようなものでした。

若い世代からは前向きな反応を受け、年配の世代からはやや批判的な反応を受けました。

20代,30代

  • 羨ましい
  • 後は任せろ
  • 公務員を辞める勇気が凄い
  • 実は転職エージェント登録してる
  • 考え抜いた結果であればしょうがない

50代〜

  • 迷惑をかけるな
  • 親は納得しているのか
  • 安定した公務員を辞める事が理解ができない

やはり親世代と今の比較的若い世代では転職に大して大きな認識の違いがあることを実感しました。

要は世代間で完全に理解し合うのは不可能だということです。

(育った環境も違えば年齢も違うので仕方ないですよね。)

この後は、関連する課の人にお知らせをしながら、同僚の方への引き継ぎなどを実施していく予定です

各種手続きについて

話が進みましたら更新します。

有給消化について

話が進みましたら更新します。

引き止めが強烈又は精神的にも辛くやり取りできない場合

今回の流れに書いたように、基本的には上司とやり取りをしてなるべく円滑に退職をするのがベストです。

しかし、伝えたけど強烈な引き止めにあってしまったとか、精神的にキツくて話し合いをする気力もないという場合は、退職代行のようなサービスを検討するのもありでしょう。(業者に聞いたところ、公務員の対応実績もあるとのこと。まずは無料相談をしてみるのがオススメです)

公務員からの転職

公務員からの転職情報について記載していきます。

エンジニア転職を狙う場合

未経験からのエンジニア転職については以下の記事をご参照ください。

おわりに

自分のやりたいことに挑戦し、勇気をもって退職の決断をすることはとても素晴らしいものであり、誰も横槍を入れる権利はありません。

仮に横槍を入れられた場合、それは無視すべきです。

ただ、年度途中に退職をすることで、必ず役割が増えてしまう同僚が出てきます。

これは年度末に退職すれば防げます。

しかし

辞めるというのは自分の人生のタイミングの問題なので、県庁の問題に合わせ、数ヶ月”心ここにあらず”で中途半端な仕事をする方がよっぽど迷惑ではないか

と自分は考えます。

そして年度途中の退職であっても、相手に誠実に向き合えばリスクは軽減されると思います。

上で書いてきたようなことを参考にしながら、丁寧にご対応されることをオススメします。

ご覧いただきありがとうございました!

それでは、また次の記事でお会いしましょう!

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